言ってみるもんだ

 私が入っているNPO活動団体で,数年前に,情報公開法に基づいてある行政庁に対し,行政文書開示請求をした。



 そうしたら部分的に墨塗りになった文書が開示された。



 私らは会合を開いて,その墨塗りが不服であるから,あくまでもその公開を求めることに決めた。



 不服を申して立てる方法としては,①裁判所に訴訟を提起する方法と,②行政庁に対して行政不服審査を申し立てる方法(行政不服審査の結果に納得できない場合には,裁判所に訴訟を提起できる。)とがある。



 どちらの手続を採るかについて,代表などは「行政不服なんてしていても無駄だから,訴訟を提起する。」と言っていた。

 だが,結局多数決で行政不服を申し立てることにした。

 私は,行政不服を申し立てるほうに賛成した。

 訴訟だと訴訟費用がかかり,かつ口頭弁論に出廷しなければならないため,費用と時間がかかるのに対して,行政不服審査には費用がかからず,かつ出頭の必要もないからだ。



 ところが,情報公開の不服についての諮問機関である情報公開・個人情報保護審査会からは,私たちの意見が理由がなく,行政庁の不開示は妥当であるという答申を受けてしまった。

 そのため,行政不服審査は棄却された。



 その後,結局東京地方裁判所に提訴した。

 裁判所では,私たちの主張には理由があると認定され,勝訴した。



 国は控訴したが,東京高等裁判所でも,国の控訴には理由がないと判断され,勝訴した。



 国は最高裁判所には上告せず,勝訴判決が確定した。



 結局,私らは墨塗りのない文書の交付を受けることができた。



 ところが,最近厄介なことがおきた。

 情報公開・個人情報保護審査会は,その答申内容を全部HPで公開している。答申から公開までは5日ほどである。

 一方,裁判所では,判決の全部が公開されるわけではなく,裁判所が重要だと思った特定の事件だけが最高裁のHPで公開されるだけである。

 私らの事件では,最近になって東京高等裁判所のHPで公開されたが,判決から半年以上経ってからの公開であった。



 そのため,私らが別の行政機関に同じような文書の情報公開を請求をすると,関係機関は,情報公開・個人情報保護審査会のHPを検討して,「当該部分は不開示」との決定をしてくるのである。

 そのたびに,行政機関に対し,東京地方裁判所・東京高等裁判所の判決のコピーと両方の判決確定証明書のコピーをつけて,「情報公開・個人情報保護審査会の答申は,裁判所で否定された。不開示を維持するのであれば東京高等裁判所の判断が誤りであることを述べる必要がある。」

 との理由で行政不服審査をしている。



 そうすると,10日ほどで「再検討した結果,不開示部分を開示することとする。」という決定が届くようになった。



 ただ,私らは毎回行政不服審査を続けなければならなくなった。



 なので,総務省の行政管理局(旧行政管理庁)に何度か「情報公開・個人情報保護審査会のHPに,裁判で否定された旨を付け加えるとか,裁判をHPで紹介するとかしてほしい。」と苦情を述べていたのである。



 そうしたら,ようやく総務省のHPで,情報公開裁判についても公開することになったそうである。

 まだ「現在工事中」だが,これが開設されたら,少しはよくなるだろう。



 ものは言ってみるものである。
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by nonnbei871234 | 2007-08-26 20:31 |
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