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将来的な大問題

 出生時に,法律上父と推定される人と生物学上の父との間に食い違いが生じていることを原因として,戸籍に記載されていない方々が増えているそうである。



「日本の身分関係は,戸籍でほぼ完璧に管理されている。」という伝説というか神話というか信頼がある。

 相続が発生すると,亡くなった方の相続人が誰かというのは,亡くなった方の15歳頃から死亡するまでの全戸籍謄本(戸籍記録全部事項証明書)を添付し,その法定相続人が誰かを特定するのである。

 そこに,「戸籍に記録されていない子ども」がいることは基本的には想定されていない。

 だから,亡くなった方が生まれてから亡くなるまでの全戸籍にその子が記載されていなければ,その子は存在しないものとして,各種手続が行われることになる。



 数十年経った後,戸籍の信頼性を揺るがすような事例が多発し「その原因は誰にある」とまた問題になるのではないか?



 やれ貞操義務だなんだと言っている人がいるが,民法なんてものは,だいたいそういうことを守らない人のための条文がたっぷりある。

 嫡出否認,認知,非嫡出子なんてものは,みんがみんな貞操義務を守っていれば,登場することがない条文である。



 そうあるべきだから,その道に外れた者に不利益を課すというのは一定限度で分かるが,今の法は,不利益を生まれてきた子どもに課している点に最大の問題がある。

 また,戸籍に記載されないというのは,相続に絡み取引の安全を侵害する危険がある。



 貞操義務を守らないような人物とは取引するなという価値観を国家が持っているのだろうか?

 貞操義務と財産取引との間に関連性があるとは到底思えないのだが。



 数十年後,「ときの法務大臣は誰だった。」なんて泥試合を演ずることになるのだろうか?
by nonnbei871234 | 2007-06-23 17:13 | 時事
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