初めて知った父のこと

 弟のことを,母は私に愚痴ることがある。

 だが父は絶対に愚痴ることがない。



 弟が入院したときも,

 裁判で国から理不尽な主張をされたときも

 いわれなき誹謗中傷を受けたときも



 父は,弟の存在を愚痴ることは決してない。



 同居している兄も,父が愚痴ることを聞いたことはない。



 先日,父の古い日記帳が,茶の間に置いてあったのだという。

 開かれていたページを見ると,弟が重度の発作を繰り返し,命の危険に見舞われたときのことが書いてあった。

 その日記には

「○○(弟の名前)が不憫でならない。○○を病院の窓から突き落とし,自分も身を投げようと考えた。でも,遺される△△(母),□□(兄),乃梨のことが,ふと頭をよぎった。死ぬわけにはいかない。」



 と書いてあったという。



 今の私には,その日の父の心境のほうがよく分かる。



 兄の話だと,父も兄に読んでもらいたかったのだろう。

 姪の子育てのことで,父が兄に何か言いたかったのかもしれない。
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by nonnbei871234 | 2007-04-02 21:43 |
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