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痛烈

日経新聞の「春秋」という欄(朝日の天声人語に当たるところ)は,非常に痛烈で面白かった。



「このところ公害や薬害の裁判で国が負け続けている。・・・政策判断を誤り,無策のまま放置して被害を広げ,被害の認定基準は合理性を欠く。こんな行政の責任を司法が厳格に判断すれば,当然国に勝ち目はない。」「ところが,お役人たちは,国が裁判に投じるヒトとカネの不足が敗因と思いたいらしい。」「それが敗訴続きの一因だとして,法務省は来年度予算で増員と増額を要求するという。」「本末顛倒もここまで来ると開いた口がふさがらない。」「裁判官が和解を勧告しても応じず,負ければ条件反射のように上訴するのが役所の習い。」「勝ち目のない上訴をやめれば費用も人員も十分足りているはず。」「役所は絶対に間違わないなどという今どき誰も信じない官僚の無謬神話を守るためにこれまでどれほどムダな訴訟費用を費やしてきたことか。国が被告となる裁判が増え,そこで国が負け続ける本当の理由を,お役人に考えさせるのが,政治家の大事な仕事なのだろう。」



 どちらかというと右寄りの日経新聞が,ここまで書くとは思わなかった。

 久々に溜飲が降りた。



 同時に,今日の社会面では,行政不服審査制度が有効に機能しているとは言い難いと評価されるという記事も載っていた。

 こちらもそのとおりだと思う。



 国を相手に裁判をした経験がある人は,どのぐらいいるのか分からないが,私の家族は国を相手に裁判をした人間である。

 私の家族の裁判の様子を私は知らないが,その後のMMR裁判を傍聴したことはある。

 裁判には,毎回「指定代理人」というお役人が7~8人もゾロゾロと雁首をそろえて,風呂敷を抱えてやってくる。そこで代表格の代理人がちょろちょろ発言するだけで,残りの代理人は「お地蔵様」の如く,被告席に鎮座しているだけである。

 1人か2人で十分だ!

 今,国がみの訴訟は,無条件で東京地方裁判所にも管轄権がある。

 那覇税務署の課税処分に不服がある場合には,那覇地裁に訴えることもできるし,東京地裁に訴えることもできる。

 そのため,東京地裁には,行政事件ばかりを扱う部が3つもある。

 その東京地裁で,国の敗訴率がぐんと上がってきたことが,国側の危機感を呼んだのかもしれない。

 しかし,裁判所も,連日同じような事件を裁いているプロ集団である。だから,国側の主張のほころびに鋭く目がいくのだろう。

 同じ争点を巡る裁判でも,A事件では「一般的抽象的に判断すべきで個別的事情は考慮すべきでない。」,B事件では「個別的具体的を尊重して判断すべきだ。」と主張する。場合によっては,同じ書面でこれらを同時に主張し,「決して矛盾ではない」と開き直るような姿勢が見られるようである。

 日経が主張するように,無駄な上訴をやめさせるのが先決だろう。
by nonnbei871234 | 2006-09-05 20:45 | 時事
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