3日,4日は,現場に入って仕事をしている。
今,在日1世の女性の方が入院中である。今まで日本語を全く不自由せずに使っていたのに,最近突然韓国語を話し出すことがある。
うちの看護師は韓国語など全然分からないので,看護記録に「韓国語らしき言葉での発言あり。意味不明」との記録することになる。
六十年以上使っていなかった言葉が,流暢に出てくるのだから,母国語というのはたいしたものである。
昔,何かの本で読んだのだが,言葉を自由自在に操るスパイの母国語を知るためには,不意にタバコの火を押し付けるのが効果的だということだった。
不意にタバコを押し付けられた際に発する言葉は,母国語なのだそうだ。
だから,「あちっ」という言葉は,日本語を母国語とする者が叫ぶ言葉なので,そのスパイは日本人ということになるということらしい。
ところが,先日ウクライナから一時帰国した旧日本兵の方は,日本語をすっかり忘れてしまったのだという。
ソ連時代に,日本語と接することができなくなった結果なのだろうか?
それにしても,母国語を忘れるということは,どういうことなのか,私には想像できない。