犯罪被害者保護のための制度が改められるようだ。
犯罪被害者の氏名は今後公開の有無を被害者の家族の意向も含めて警察が判断するように変更されるかもしれない。
マスコミは,このことに反対している。
警察の恣意的な発表を許せば,真実がゆがめられるというマスコミの主張も当たっていると思うが,だから全件実名でというのは,議論が乱暴すぎる。
マスコミの被害者に対する横暴な取材は目に余ることがある。死亡事故の遺族にマイクを向けて「今のご感想は?」と聞かずもがなのことを聞いている場面を見たことはあるだろう。
殺人事件の遺族が「被害者は,犯罪被害に遭った後に,国民に『知られる義務』まで負わなければならないのか」と言っていたが,まことそのとおりである。
写真週刊誌が,凄惨な事故現場・犠牲者の遺体写真などを公開していたとき,マスコミは何をしていたのだろうか?
写真週刊誌が廃刊となっていったのは,飽きられて商業ベースに乗らなくなったからであって,出版界の自主規制の結果ではない。
「売れれば何をしてもいい。」という商業主義を改めない限り,「国民の知る権利」を大上段に構えても,支持は広がらないと思う。