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記者会見

漁船転覆当て逃げ 「仲間の死、寂しい」 唯一の生存者、退院し会見

 北海道根室沖で漁船が転覆し七人が死亡した事故で、乗組員のうちただ一人救助された藤里要さん(53)=宮城県気仙沼市=が十五日、入院していた根室市内の病院を退院、記者会見で「仲間が亡くなり寂しい。目をつむると仲間の顔が浮かんで眠れない」とつらい胸の内を語った。
 藤里さんは九月二十八日未明に衝突したときは船室でほかの乗組員と仮眠中だった。「ズズンという音がしたのですぐベッドから出た。二秒ぐらいで船がひっくり返った」と説明。直後に「大丈夫か」と呼び掛けたが返答はなかった。
 流れてきたズボンと靴下をはき、ライフジャケットを着けた。暗闇の中、たばこに火をつけ、出口が下になっていることが分かり、動かずに救助を待つことにした。救助されるまで「家族のことを考えていた。駄目かもしれないと思ったが、ライフジャケットが流れてきたので助かるかもしれないと思った」という。
 藤里さんは衝突したイスラエル船籍の貨物船について「気付かなかったとは思えない。早く通報してくれれば仲間は助かったはず」と強調した。
 退院後すぐに、死亡した乗組員のうち根室市内の四人の遺族を弔問。今後、残りの遺族宅も訪れる予定という。

(産経新聞)

 こういう記者会見を見ると,胸が詰まる。

 こういう言い方は失礼かもしれないが,唯一助かった乗組員の方は,こういう惨事に遭わなければ,記者会見などに臨む必要はなかったはずである。もちろん,自分が将来記者会見を行うことなど,全く想定していなかったと思われる。

 説明責任を果たさなければならない場にいる立場の人たちとは,置かれている状況がまるで違うのである。

 西鉄バスジャック事件があったとき,ドライバーが行った記者会見のニュースを見て,私は泣いてしまった。
 バスドライバーは,無名の一市民として生きてきたのであり,記者会見など行うことを予定しては生きてこなかったと思う。
 しかも,事件の被害者でもあり,かつ惨劇の一部始終を目撃していたのであるから,精神ケアが必要とされる時期であった。
 それなのに,記者会見をしている姿を見るのは辛かった。

 犯罪の被害者,事故の当事者に対する取材活動というものに自主規制を徹底しないかぎり,人権保護法から報道目的を除外することには賛成できまい。
by nonnbei871234 | 2005-10-16 18:28 | 時事
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