小中学生は,楽しい夏休みの真っ最中だ。
私が小学生の頃は,「夏休みの友」という宿題が渡されたものだ。国語から体育までを一冊の本にまとめた珍奇なものだった。
それと,読書感想文という宿題があった。
今も読書感想文という宿題は残っているようである。
「読書感想文は,なるべく推薦図書の中から読むように。」なんて学校教諭から言われ,小学生の頃はそれにしたがっていた私だが,中学生になってからは,敢えてそれに反した本ばかりを読んで読書感想文として提出した。
中3のときは,森村誠一の「悪魔の飽食」を読んで,読書感想文を書いた。14歳の多感な時期に不適切だと,今では思うが,衝撃的な内容を連日食い入るように読み「果たしてこれは真実なのか,嘘なのか?嘘であってほしい」と思った。あれが私をノンフィクション好きにしたのだろう。
もちろん,校内読書感想文コンクールには,題材の悪さで即落選となった。
推薦図書なんて読んでいたら,もっと従順な人間になっいたのかもしれないが,そんな性格は生まれながらに持ち合わせていないようだ。
権力者に推薦された本を唯諾々と読み,感動するような人を権力者は求めるのだろう。
推薦図書を読むときは,どうしてこの本が,教育委員会事務局の人間が推薦することになったのか,そのことを考えて読むと楽しいかもしれない。