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小澤代議士をかばうつもりはないが

 小澤一郎代議士が起訴されたことを受けた世論調査で,約6割が「議員辞職すべき」と答えたとかいう記事が載っていた。

 それに対して,小澤代議士がどういう嫌疑がかけられ,どういう証拠が揃っているのかについての記事は驚くほど少ない。
 第1回公判前には証拠を公開してはいけないそうだから,マスコミも証拠をほとんど持っていないだろうし,そもそも「証拠」は関係者の供述を調書化したもの(検察官面前調書とかいうもの)がほとんどだろう。
 マスコミが,その調書を正当な取材活動の過程で入手し,他に独自の取材も行った上で,小澤代議士に政治資金規正法違反の事実があると確信したというような記事は見受けられない。
 その上で,その調書化された供述が「真実である」と確信している理由も全く報道されていない。

 一方で,厚生労働省での虚偽公文書作成事件では,大阪地検特捜部が事件のストーリーを作り上げ,そのストーリーに沿った調書を強引にでっち上げた上,物的証拠の改ざんまで行っていたと強く疑われている。既に虚偽公文書を作成したとされた厚生労働省の幹部に対しては無罪判決が確定しているし,証拠改ざんを行った元検察官は初公判で罪を全面的に認める方針だという。
 この事件については,大阪地検特捜部が行ってきた捜査手法を批判するだけでなく,厚生労働省の幹部を悲劇のヒロインとして扱うかの如き報道をしている(部下に対する監督責任を追及したり,公印の管理の杜撰さを批判する論調はない。)。

 これまでの取材活動で,大阪地検特捜部の捜査は,強引に調書をでっちあげる手法が取られたことを批判している一方で,東京地検特捜部の捜査には,そのような捜査手法が一切なく,東京地検特捜部の検察官が作成した調書は真実だけを記載しているとの確信は得られたのだろうか?まことに不思議だ。しかも,当の東京地検は2度も起訴を見送っているのだから,検察官としては取得した調書だけでは公判を維持できないと判断したのかもしれないという点についての補足も非常に不足していると思われる。

 小澤代議士をかばうつもりは全くないが,いいかげんな報道で「小澤は悪人」というイメージばかりを誇張しているような気がしてならない。

 世論調査というのは,マスコミの世論操作の成功度を測っていると思えてくる。
by nonnbei871234 | 2011-02-03 02:37 | 時事
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