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会館使用拒否の理由

全日本教職員組合(全教)が八月、所沢市民文化センターで開催を予定している教育研究全国集会の会場使用をめぐり、センター管理者の同市文化振興事業団(理事長・斉藤博市長)は二十四日、使用許可を取り消す通告を全教傘下の県教職員組合(埼教組)に提出した。全教側は通告に抗議し、「使用許可の仮処分申請を視野に協議している」とコメントした。

 同事業団によると、埼教組は昨年八月二十五日、文化センターを管理する事業団に「音楽と講演の集い」との集会開催を申請し、許可された。ところが、今年六月二十八日、埼教組関係者が同事業団に教研集会の開催を明らかにしたことで、事業団側が態度を硬化。全国で教研集会と反対団体の対立が問題化しているためで、市は「住民に危険が及びかねない」と許可の取り消しを通告した。

 事業団側の説明では、教研集会でも音楽と講演は実施されるため、使用規定違反ではない。しかし、教研集会には右翼の街宣車が来て住民に迷惑が掛かるなどのトラブルが予想されるため、事業団側は埼教組側に使用辞退を求めたが受け入れられなかった。

 今月十一日、斉藤理事長あてに、教研集会の撤回を求める要望書が反対団体から提出された。市役所近くでも二度、街宣車が目撃されたという。

 大阪市などでは使用許可取り消しをめぐり裁判に持ち込まれているが、憲法の「集会の自由」などを理由に全教側の主張が認められている。(埼玉新聞)



 憲法は,国民の集会の自由を保障している。

 その一環として,市民センターのような市民の集会を行う公共施設については,市民から利用の申込みがあった場合には,「正当な理由」がなければ,施設利用を拒絶できない。



 では,右翼団体が来る可能性があることは,施設利用を拒絶する理由となるか。

 反対する団体が,街宣車を走らせて,住民に迷惑がかかるというのであれば,そういう迷惑行為を行う団体を取り締まるのが筋である。

 だから,右翼団体が来る可能性があるということは「正当な理由」にはならない。



 このことについては,同じ埼玉県の上尾市での会館使用を巡る最高裁判所の判例があり,法学部で憲法の授業を受けた者なら誰でも知っているはずである(私は旦那の大学の法学部の講義にもぐって聞いていた。)。



 所沢市役所の職員だって,この判例については当然知っている。

 それでも利用を拒否するのは,裁判所より右翼が怖いということだろう。

 所沢市役所には,筋が通った人間はいないのだろうか?



 そもそも,集会の目的を施設長が審査して,利用の可否を決めるという発想は,戦前の「検閲」制度そのものである。

 特定の集会は政府にとって好ましくないから禁止なんてやっていれば,そのうち,政府にとって都合がいい情報だけを,アナウンサーが怒鳴り口調で読み上げるピョンヤン放送のようになってしまう。



 所沢市に,この取消を撤回する勇気があるか,見守りたいものである。
by nonnbei871234 | 2006-07-25 19:44 | 時事
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