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難しすぎて

そうすると,原判決は,量刑に当たって考慮すべき事実の評価を誤った結果,死刑の選択を回避するに足りる特に酌量すべき事情の存否について審理を尽くすことなく,被告人を無期懲役に処した第1審判決の量刑を是認したものであって,その量定は甚だしく不当であり,これを破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。

3 結論

 よって,刑訴法411条2号により原判決を破棄し,本件において死刑の選択を回避するに足りる特に酌量すべき事情があるかどうかにつき更に慎重な審理を尽くさせるため,同法413条本文により本件を原裁判所に差し戻すこととし,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。(最高裁判所のHP)



 今日,最高裁判所で無期懲役の判決が甚だしく不当であるとの判決が言い渡された。

 この事件を除いても,無期懲役が不当であると検察官が主張している事件が最高裁判所で5件審理されている。



 この事件では,被害者の遺族がプライバシーを犠牲にして登場し,理路整然と被害者感情を訴えている。

 遺族も,こんな事件がなければ,無名の一市民として平凡に幸せな生活を送っていたと思う。

 こんな事件に遭ったため,どれほどの苦労を重ねたのか,想像もつかない。

 遺族が,被告人の死刑を望むことは,自然なことであろうし,理解できる。



 でも,先進諸国で死刑制度を残しているのは米国と日本だけである。



 死刑は年に10人前後確定しているが,執行は年に1~2人である。毎年死刑確定者が10人程度増加している現実もある。



 この被告人を死刑台から吊るすことが,正義なのか,難しいすぎて,分からない。
by nonnbei871234 | 2006-06-20 22:25 | 時事
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