人気ブログランキング | 話題のタグを見る

いわくつき物件

新聞では,ときどき地元の裁判所が競売の広告を出していることがある。

 市場価格の半額程度で不動産が手に入るということで,最近は不動産のプロでなくても競売手続に参加する方もいるようである。



 この競売不動産が市場価格よりも安いのは,それだけの理由があるのであり,①買った建物がシロアリに食われていたり,姉歯設計事務所のインチキ設計に遭っていた場合でも,後にクレームをつけられない。②裁判所の手続なので,とにかく融通が利かない。という点が指摘される。それ以上に価格を下げているのが,③売主は売りたくないという点である。



 だいたい,競売というのは,差押を受けたり抵当権を実行されたりするわけだから,売主(所有者)が好き好んで売りたいものではないのである。



 だから,売主は買主がつかないよう,いろいろな妨害工作をするようなことがある。



 ヤクザに家の管理を委託してしまうような古典的なやり方もあるが,このやり方は,数回にわたる法改正で次第に封じられつつある。



 引き続き古典的な妨害の方法に,「悪霊作戦」というのがある。

 要は,この物件は悪霊に呪われていると宣伝して,購買意欲を削ぐ方法である。



 この土地は江戸時代は処刑場で,何百人もの人間が首を切られたなんて噂を広めた人もいるようだ。



 そんなに昔にならなくても,数十年前に亡くなったおじいちゃんの遺骨をわざわざ墓地から戻して,土地の一角に散骨し「散骨の碑」なんてものを建てていた方までいた。



 でも,このような「悪霊作戦」は,そういうことを信じない方々には何の役にも立たない。



 宗教の職にある旦那は,敷地の一角に散骨されていても,しっかりお祈りを奉げるのであり,私もそういうことは気にしない。



 だいたい過去に,人が不慮の死を遂げた場所だからといって買い手が遠慮するというのは,土地の場合はせいぜい数年である。だから「悪霊作戦」が成功するのは,時期的にも限られているのである。

 現に,神戸市の土地取引価格が大震災以後大暴落したなんて話は聞かない。



 でも,幸か不幸か,私たちにはマイホーム願望がない。

 だから,私たちは競売に参加する予定もない。



 私が不動産業の副業でもするようになれば,買おうかな。
by nonnbei871234 | 2005-11-20 19:05 | 時事
<< 医療債権の消滅時効 東武鉄道の懲戒解雇 >>