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母国語

今,職場には数名日本語での会話が難しい方が入院されている。



 医師も看護師も,いろいろコミュニケーションを図る努力をしているが,ご本人の訴える症状を理解できないのは,本当にもどかしい。

 body languageや絵画で意志疎通を試みているものの,なかなか真意を探ることは難しい。



 英語なら,最低限の会話は出来るが,現実には,ポルトガル語,ペルシャ語,中国語,タガログ語を話す患者様が多い。



 それにしても「痛い」とか「熱い」という言葉は,みんな母国語で話すものである。

 不意にタバコを手に押し付けて,そのときの驚きの声でどこの国のスパイかを見分けたという逸話は本当のようだ。



 ところで,もうすぐ100歳になる方が,ときどき独り言を言っていた。ところが,何を言っているのかが全く分からない。看護記録には「発音が不明瞭で,よく聞き取れない。」などと書かれていた。

 そうしたら,うちに勤めている在日3世の子が,「朝鮮語をしゃべっているよ。『この頃夢見が悪い。戦争で死んだ仲間が夢に出てくる』とか言っている。」と言う。

 その方は,在日1世であった。



 日本に70年も住んでいて,何不自由なく日本語を使いこなしている方でも,いざというときには母国語になるんだなと実感した。



 母国語というのは,すごいものである。
by nonnbei871234 | 2005-10-03 18:07 | 職場
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