「値上がり確実な未公開株」で失敗した職場の仲間(今年で定年)がいる。
値上がり確実な株式を,わざわざ売りに来る人というのは,世の中にいない。
それでも引っかかってしまうのが,欲というものなのだろうか?
何度か書いているが,未公開株式の売却の話があれば,まず商業登記記録を取ること。
それで99.99%嘘だと分かる。
上場準備しているのに,株券発行会社である旨の登記がある。
上場会社は,株券の発行が禁止されている。
株券が流通している会社が株券発行会社である登記を抹消するのは,公告を証する書面を添付しなきゃならないからお金がかかる。
だから,上場を考えている会社は,株券発行会社である旨をあらかじめ廃止している。
ということで,株券を発行するとの記載があれば,上場の予定はないと見たほうが無難
取締役会設置会社や監査役設置会社である旨の登記がない。
上場企業は,取締役会設置会社じゃなきゃダメよ。
監査役がいない場合には,委員会設置会社じゃなきゃダメだし。
取締役1名だけの会社が上場できるわけないでしょう。
会計監査人が登記されていない。
会計監査人が設置されない会社は,上場などおよそ無理
会計監査人がいない会社の財務諸表を無条件で信じる投資家(生命保険会社など)がいると思う?
有限会社から組織変更して間もない
今年になってから有限会社から株式会社に変更して,即上場できるわけない。
発行可能株式が発行済株式と比較して多すぎる。
株式の譲渡制限がない会社(公開会社)の発行可能株式総数は,発行済株式総数の4倍までですからね。
4倍を超えていれば,上場なんて夢のまた夢よ
仲間が購入したという会社の登記記録を見たら,平成18年3月に就任した取締役が4人。監査役は平成16年に就任している。当時の商法では,取締役の任期は2年,監査役の任期は4年
いずれも,任期をはるかに超えている。それなのに株主総会すら開いていない。
こんな会社が上場するわけないじゃん。
こういう,くず会社の株式を買ってしまった人には
「諦めちゃダメ」とかさらに勧誘の電話がかかる。それに引っかかりさらに被害を増やす。
今回,仲間のところには,弁護士を名乗る「被害者の会」から電話がかかってきて,弁護士費用50万円を出せは,投資した金を取り戻せるとか言ってきたそうだ。
絶対に嘘だからと何度も止めたのに,自称弁護士にお金を振り込んでしまったそうだ。
どうしてこういうことになるのか。
私は止めたのだから,もう知らない。