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完全施行

18日に廃止された貸金業法第43条第1項
 貸金業者が業として行う金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約に基づき、債務者が利息として任意に支払つた金銭の額が、利息制限法第一条第一項に定める利息の制限額を超える場合において、その支払が次の各号に該当するときは、当該超過部分の支払は、同項の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなす。
一 第十七条第一項(第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項及び第二十四条の五第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により第十七条第一項に規定する書面を交付している場合若しくは第十六条の二第一項並びに第十七条第三項及び第四項(これらの規定を第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項及び第二十四条の五第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により第十六条の二第一項並びに第十七条第三項及び第四項に規定するすべての書面を交付している場合におけるその交付をしている者に対する貸付けに係る契約(極度方式貸付けに係る契約を除く。)若しくは当該貸付けに係る契約に係る保証契約に基づく支払又は第十七条第一項及び第二項(これらの規定を第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項及び第二十四条の五第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により第十七条第一項及び第二項に規定するすべての書面を交付している場合若しくは第十六条の二第一項及び第十七条第三項から第五項まで(これらの規定を第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項及び第二十四条の五第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により第十六条の二第一項及び第十七条第三項から第五項までに規定するすべての書面を交付している場合におけるその交付をしている者に対する極度方式貸付けに係る契約若しくは当該契約に係る保証契約に基づく支払
二 第十八条第一項(第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項及び第二十四条の五第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により第十八条第一項に規定する書面を交付した場合における同項の弁済に係る支払

 これを条文だけ読んで理解できるのだろうか?
 水も漏らさぬように規定していくため,もともと何を言いたいのか分からない規定になる典型だ。

 貸金業者が,①金銭を貸し付ける際,法令で定める内容を完全に記載した契約書を交付し,②金銭の返還を受ける際に法令で定める内容を完全に記載した領収書を交付した場合であって,③借受人が利息制限法所定の上限金利を超える金利を任意に支払った場合には,
 利息制限法を超過する部分について,返還を求めることができない。

 という規定だ。

 これを根拠に,貸金業者は,出資法の可罰金利に至らない限度で,利息制限法を超過する金利を徴収していた。

 ところが,最高裁判所が平成15~18年にかけて,貸金業法43条1項の適用を大幅に絞り込む解釈を採用し,適用される場合が皆無に等しくなった。

 その後,利息制限法・出資法と貸金業法が改正され,段階的に施行されてきたが,18日についに貸金業法43条1項そのものが廃止された。

 貸金業者に金を借りるような人間は,金策に切羽詰っていることが多い。
 そういう人が法律上の上限金利を超過する金利を「任意」に支払うという発想自体がどうかしていると思うが,それが昨日まで堂々と法律に残っていたというのは,ある意味たいしたものだ。

 18日からは,利息制限法の上限金利と,出資法の可罰利息が基本的に一致する。
 だから,利息制限法を超過する利息を徴収する契約を締結したら,刑事罰を受けることを覚悟しなければならない。シンプルな法体系になるのは,いいことだと,私は思う。

 ちなみに,貸金業取扱主任者試験という簡単な国家試験が去年から始まった。
 去年,旦那と私も受けてきて(どっちも無勉強),どっちも合格し,合格証書が手許にある。
 でも,今後何の役に立つのだろう?
by nonnbei871234 | 2010-06-18 20:21 | 時事
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