企業内紛争といえば,日本航空のお家芸だったが,同社が経営破綻したことから,しばらくはお家芸は見られないだろう。
日本航空から企業内紛争を取ったら残るお家芸は,親方日の丸のコネ入社天国ぐらいか?
コネ入社天国では,日本たばこ産業株式会社という超弩級のコネ天国会社があって,日本航空は日本たばこ産業の後塵を拝している。今後は当分の間コネで日本航空に入りたい人も減るだろうから,この点でもお家芸を見ることができなくなってしまうかも。
で,企業内紛争は,観客席からプロレスの乱闘を見ているようなものだから,ギャラリーは痛くも痒くもない。
次の企業内紛争がどこで起きるのかと思ったら,富士通で起きた。
病気治療に専念するために辞任したはずの取締役が反旗を翻したことから,一気に企業内紛争の様相を呈してきた。
会社法では株主総会で取締役をいつでも解任できる。ただ,正当な理由がある場合を除いて解任された取締役に対して損害賠償をしなければならないだけだ。
しかも,会社法になってから,解任の決議の要件が緩和された。
逆から言えば,金さえ用意すればいつでも取締役の首は切れることになる。
内紛で取締役の首の切りあいなんてことも旧商法時代よりやりやすくなったことになる。
でも,さすがに上場企業での取締役の首切りは少ない。
富士通の内紛,今後どうなるか,スタンドから楽しく見させてもらいましょ。